年末の年末まで走りぬけます!

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金色の虎がお迎えします。
虎さんしっかり働いて下さいと、年末の京都木屋町に、絵を納めて参りました。
12月30日と云うのに、来年の干支の寅の如く「千里行って、千里を帰る」タフな日々を過ごしております。

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大和絵の虎は伝統的に愛らしい姿で描かれてます。
虎さんこわくないよ〜🐯
皆んな集まって♪

f:id:dragon-tiger17:20211231013125j:imageBAR EZOさんは明日大晦日(^^)、そして年始は2日から営業とのこと。

BAR EZO
西木屋町松原上る
0753438335
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帰りに京都四条の高島屋の画廊に毎年恒例の日本画が掛かっているので見に行きました。
中嶋千波先生や他の若手の先生方の絵などが拝見出来ました。
8号ぐらいの絵で七百万円から色紙で百万円ぐらい('◇')ゞ。
百貨店で売られると作家には3割が画料として支払われるそうですが、
むかしは高島屋の画廊では値札を露骨に張り出して売る見せ方はしなかったですが、世知辛いですね。(参考までに、25年ほど前は千七百万円ぐらいでした('◇')ゞ、値段はは作品の題名カードの裏側に鉛筆でこっそり書き込まれていました(^_-)-☆。)
だけど、僕もメジャーになる活動をしないといけませんね。
日本画家が夢のある仕事にならないと、後につづく良い後輩が育たないと思います。
良い先生に出会って頑張って日本画家になるには簡単なことではありませんから。
 
 

天然岩絵具でお稽古すると

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尾形光琳紅白梅図屏風」から原寸或いは拡大図からトリミングした再現模写。

芦屋クラブ 日本画、の今年最終日のお稽古の仕上がりです。

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前田青邨「不二」の再現模写。

こちらも生徒さんの今年最終日のお稽古の仕上げです。

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日本画絵の具の色数は極めて少ないです。

天然の岩石を砕いて粉にした物が日本画絵の具です。

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仕上がりは、見事すぎる完璧な美しさでした。

奇跡の瞬間に立ち会った様な。

再現模写とは言へ、尾形光琳の国宝の作品が、いま描かれた様な瑞々しさ。

いま咲いている梅の花を切り取って来た様な、不思議な感覚。

やっぱり尾形光琳は凄い絵を描いたのだと改めて深く思いました。

そして、生徒の皆さんが、やっぱり凄い。

瞬間瞬間の筆先の判断を間違わない凄さに、天晴れ。

 

寧ろ、プロの上手すぎる筆では再現しても何となくつまらない模写になってしまいますが、

生徒さんの拙く真剣に描く手が、作品を実物以上に新鮮な色の輝きを増したのだと勘づきました。

作画された皆様が、良い新年が向かられます様に輝く金が目出度く飾って下さりませ。

 

制作追記

日本画の制作は、コンセプト芸術の様なもので、入念な準備、お道具、作品設計で描いてゆくので仕上がる直前まで、

自分が何を描いているのか不安になる一瞬が有りますが、

読み込みが完璧なら誰にでも描けます。

素晴らしい。

私も多く学べた一年でした。

 

 

 

 

オペラコンサートと日本画屏風

youtu.be

2021年3月に兵庫芸術センターで催されたオペラコンサートの模様です。
バス×バスの二重唱という大変な難曲。ヴェルディ作曲「ドン・カルロ」から。
花月真(バス)×片桐直樹(バス)×丸山勝次(ピアノ)×長谷川透(舞台美術・屏風)
歌い手の先生方もさることながら、ピアノの丸山先生の凄さも聴きものです。
手前味噌でなく本当に素晴らしい音楽の時間でした。


私は、両親の音楽好きの影響もあり小さい頃から音楽に親しんで来ましたが、いろんなCDやDVDの同じ演奏を聴いても、この演奏のレベルの高さはには唸ります。

普通、陰惨で泥臭くなりがちな楽曲ですが、この演奏は美しいのです。
声がいい。演奏がいい。
そんな感じがします。


演奏者の方々は、私の屏風を見て「何か近づけない気を感じた。」そうで、コンサート中に屏風の傍に近づけなかったそうですが、素晴らしい音楽に貢献出来て良かったです。
四人の芸術家が、美しさを奏でる為にこの決められた時間に、噓なく本気で力を合わせる事は、本当に楽しいです。(ただ、それぞれが恐ろしい練習と修練があってこそですが。)
花月先生が、「芸術家は、常に危険な道を選択する。なぜなら、常に挑み解決しようとするからだ。」と、冗談交じりに仰っていましたが、常に完璧それ以上の夢を叶えて行きたいですね。

墨のこと

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先日、2021/12/09のお稽古の尾形光琳の「竹寅図」の模写です。

古色も再現されていて、実物よりは幾分に黒が濃く、大変健康的で元気な若虎さんに再現されて素敵ですね。

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日本画模写の醍醐味は、単なる写し物やレプリカ作りではなくて、例えば400年前の天才絵描きの息吹を感じる事です。

続けておられますと何時か尾形光琳がそっと横から肩を叩いて「あっ、そうだよその筆いいね👍」と、囁く様な錯覚を覚える瞬間が来るかもしれません。

 

先日のお稽古で、たまたま墨についてのお尋ねが重なりましたのブログで簡単にアドバイスをさせて頂きます。

自分の思い描くイメージの黒を見つけるのは大変なのですが、

これも関西に住んでいればこその地の利により、

古梅園本店や呉竹本店製造工場に直接乗り込んで取材した私めの私見からお伝えします。

 

まず、日本画家なら必ず大学などで勧められる古梅園の「一ツ亀」🐢(私め、ほぼ強制的に買わされました)

は、大変に汎用性が広く現代日本画では必須アイテムです。

原料は重油煤とアルミナの様な溶媒の混合物です。

なので、大きな面を「一ツ亀」🐢だけで黒を求めて塗りつぶすと、黒くなり切れず奥行き感は得られません。

重油煤で、ボリューム感の有る黒を求めると、ほぼ重油煤だけで作られた古梅園「紺碧」がお勧めです。

重油で作られても決して悪い色ではないので誤解のない様に、私も使うべき所では使います。

ただ、「紺碧」の長所であり短所は、赤ぽくもなく青っぽくもなくほぼ完璧な黒過ぎる所です。

私の場合、昔よく使った墨です。

油絵や他のジャンルの絵に馴染んだ人の目には良いかも知れません。

 

次に、手に入り安いお勧めの墨は、古梅園「紅花墨」です。

これは、他のブランドでも類似品が多いベストセラー商品です。

原料は、菜種油の煤と紅花から抽出した紅です。

「紅花墨」は、しかし、ベストセラーだけに見た目は同じでも煤と紅だけで作った五つ星のものから、

かさ上げに入れたアルミナや泥など溶媒の混合率により、四つ星、三つ星など値段相応に色が薄まり色の厚みの変わります。

また、谷崎館でもオプションでお勧めしている「紅花墨(聖煙)」は、五つ星の上のレベルの墨ですが、

五つ星とは別物と思われるほど絶対的な信頼感があります。(つまり、色に苦労しないのです。)

五つ星は、ほぼ純菜種ですので十分な美しさが、味わえます。私の場合は、使い分けています。聖煙に比べて少し荒いかな?と言う感じです。

 

次に、一般にお使いなら多分、古梅園の煤か呉竹の煤からOEM製造された(しかし、煤の製法は独自の製法がありオリジナル)

墨を売る一心堂の「純菜種墨」か「寧楽」と言う墨です。

原料は、菜種煤だけ、或いは、菜種煤と紅花の紅です。

古梅園の同じ原料のものよりニ、三千円安く手に入り、色も使い心地も満足出来るものです。

私の場合、金箔の上に描く場合、沢山良い墨が必要なので「寧楽」を使っています。(つまり、金に負けない隠蔽力と素直さが有る墨です。)

 

私の経験上、沢山、本当に血を絞る様な思いで墨を色買い込んで試しましたが、

コストパフォーマンスを考えると古梅園の「紅花墨」か一心堂「純菜種」か「寧楽」が良いと思います。

 

最近では、ヤフオクやメルカリなどで出物があるので、そちらも狙い目かもしれません。

 

呉竹は、あえてお勧めしなかったのは、製造工場に行って感じたのですが、適当なカーボン入れて作ってんのちゃうの?と、思ったからです。ほぼ、インク屋さんかな?と、思いました。

呉竹の顔料インクの筆ペンはお勧めです。

 

因みに、お勧めした墨以外はほぼ、工業インクを混ぜて作ったり、高価で良いものでも天然藍を入れて作られていたりして初心者の絵には使えません。

墨は、自分で買って使ってみないと分からない素材です。

中には、一回筆につけたら🖌筆がダメになったり、硯が使えなくなったり(//∇//)、

散々な目に遭いました私めの千金積んだ経験に基づいた私見で御座います。拝

 

例えば、月夜の暗さを表現するには、私なら一層目に純菜種油の墨、その上に好みに合う墨や絵の具を重ねます。

 

素敵な館長さん

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大阪 浜寺公園にある日本画専門の美術館で、2021.12.04、日本画模写会を催しました。
館内の優しい作品コレクションにも表れていますが、誰もが引き付けられるお人柄には、子供から大人まで暖かく接して頂けます。
参加者の皆様は、私の拙いお喋りを真剣に興味深く聞いて下さり、おおよそ、1時間半で小林美術館所蔵の上村松園作「古代舞姫図」を模写して完成まで描いて頂きました。
普通にお喋りせずに描いたら皆さん完成出来るので、少し、私め反省いたしました(';')。

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堺、浜寺と云うこともあり、海風が明るくすづやかな雰囲気のある街ですので、参加者の皆様も見知らぬ人同士でも和気あいあいとした雰囲気でした。有難いです。

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日本画模写の面白い所は、繊細な日本情緒で描きながらも自ずと写された方の個性が余さず掬い取られるところです。表情が豊かですね。

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初めての模写でこれだけ再現できるとは、本当に驚きました。好きな事は天才ですね。

私も学びの多い体験会でした。

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取材、深秋の京都

 

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知人の催しがあり京都に出かけました。

京都御所辺りから相国寺を散策。枯山水が楽しめました😃

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素敵な季節です。今年は紅葉の🍁期間が長い気がします。谷崎記念館のお庭の紅葉は先月の中旬から色付いていましたので二、三週間楽しめた事になります。

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因みに相国寺は、伊藤若冲の有名な「動植綵絵」が所蔵されていたお寺です。

6月頃には複写された絵の特別展示が有るそうです。(本物は御物になっています。)

京都御所の直ぐ北側、京都で言うと御所より上ル場所の立地という事で足利義満を始め織田信長など名だたる武将が名を残した場所です。

本やテレビで観るより実際に歩いてみると、いろいろ面白い発見がありますね。

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狩野永徳の長男、狩野光信が描いた天井画が公開されていました。蟠龍図、二十メートルは、あろうか⁉️と、思われるほどの大きさでした。

ほぼ400年間残る大きな仕事です。

作家に取って身震いする仕事です。

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参道が長い大きなお寺でした。

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最後になりましたが、此方が入り口の山門です。

 

 



久しぶりの絵の具屋さん

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久しぶりに電車に乗って絵の具屋さんに行きました。

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この前に受講生さんに頼まれて沢山買ったので新しく商品を入れくれました😆

助かります。

それでも刷毛や筆は、この中でも良い品は一、二本です。

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日本画のお道具選びは、時間とお金がとても掛かりますが、これも楽しい遊びの一つです。

でも、私にお頼み頂ければ、ちゃんと手に取って選んでお使いしますのでご心配なく。