レセプション

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今年、美術館での三回目のレセプションです。

大阪の南部地域を泉州と言いますが、泉州千利休を生誕地の堺である事もあり、

関西でも有数の文化地域です。

私設美術館も多く、ゴッホの作品を所蔵している美術館もあるほどです。

歴史や美術に対する関心も深い住人の皆様の多く、美術家にとっては有り難い地域です。

半信半疑で企画した合計三回の作品説明会も、回を重ねるほどに観覧者の皆様が増え大盛況のうちに終える事ができました。

美術館も開館以来の入館者の入りで小林館長様も目を細めて喜んで頂きました。

日本画にこんなに興味を持って集まって頂けるなんて思いもよりませんでした。

日本画てなんだろう?

そんな問い掛けには、是非、小林美術館にお運びください。

絵は、言葉に出来ないことを絵にして描いています。

ガラス越しでなく体験してこそ作者の声が聞けるのです。

日本画を体験してください。

 

技芸天

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「技芸天」

日本の仏像で唯一の女性像を安置されている奈良 秋篠寺の技芸天はあまりにも有名です。

仏像に携わる研究者が、第一に好きな仏像を上げるなら秋篠寺の技芸天と言う人が案外多いのです。

さて、私が最初に技芸天に出逢ったのは小学生2年生の頃でした。

引っ越してきた家が秋篠町でしたので父や母に連れられて良く見に行ったのを思い出します。

仏教のでは〜天と付くものは元々仏教の以前の神様を仏教に取り込んだ形の仏像です。

技芸天も元々はインドのシバ神の髪から生まれた神様です。

姿体や格好は定められていますが、梵字はないそうです。

まさか私が4メートルの巨大な技芸天を描く様になるとは夢にも思わなかったです。

今回も偶然にお坊様から口伝を頂いたので描けました。

絵描きをしていると、モチーフが自然と引き寄せてくれる何かが有ります。

有り難いですね。

 

新しい日本画

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「オペラ歌手と女神像」

ATC Asia and Pacific Trade Centerspan 2021.01.24

空と海と大地を借景に透過する日本の女神像を描き、音楽家も聴衆も音楽に集中できる空間づくりを創案して制作しました。

日本画とは、本来タブロー単体で鑑賞するものではなく、絵が置かれた環境を包み込むように置かれる環境美術です。
その様な、本来あるべき日本画の姿を現代の構造物に準じて一から考え直し制作してみました。

中央に描かれた伎芸天には、今回の演目であるヴェルディ作曲「椿姫」に因み、花かんざしに白椿が描かれています。

技芸天は元々はインドの女神様。破壊の神、シバ神から生まれたとせれています。

右に天照大神、左に瀬織津姫天照大神荒神)を描きました。

創造と破壊の神、そして芸術の神が中央に配する構図になったのは、作者の私が後になって気付いた偶然です。

作家の直感て面白いですね。

 

長谷川透作 「倣 唐獅子図屏風」

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小林美術館に展示中の「倣 唐獅子図屏風」です。

お正月用に緋毛氈に敷き直しす合間に、初めて8尺屏風を平面にして観ました。

作者の私も実は初めて観る作品の全貌です。

やはりデカイです。原作者の狩野永徳とその一門、そして戦国時代の力強い息吹を感じずにはいられません。

時代の人間ドラマが全て集約された様な絵です。

再現模写とは言え、コピー機など一切使わずに資料を元に全て臨書で素描して仕上げました。

細部まで描線の呼吸や質を確かめ再現する作業は、

そのまま長年の疑問を解決する事に役立ちました。

資料、伝説、霊感、直感、実証、使えるものは何でも使って仕上げました。

臨書に関しては、若い時に石膏デッサンやら写生を徹底的にしたのが役に立ったと思います。

振り返ると自分でもよくやったと思います。

白い獅子の胸の筋肉の描線のを一気に描いた時は、天に祈る様な心地で自分の腕に祈りました。

 

 

レセプション 日本画

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「倣 唐獅子図屏風」の久しぶりの展示です。

倣うための再現模写は、作家にとって宇宙旅行の様な不思議と発見の未曾有体験です。

説明会では、その様な旅行記を皆様にお伝えする様な感じでお喋りします。

夢中で、内容が前後しながらもお話をしているのですが、案外それが熱意が伝わって良いそうなので、

お許し願っています。

前回の知恩院塔頭信重院では、全てお伝えするのに3時間近く夢中でお話してしまって大変だったので、

今回は、三回に分けて1時間ずつお話します。

今回は、屏風の成り立ちの概略を大雑把に急いでおはなししました。

水墨画 牛図

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来年の干支の丑を描きました。

俵屋宗達琳派の技法を倣いながら描いてみました。

今年はコロナで翻弄され、来年はどうなるでしょうか?

海外では牛はbullの象徴、強気を意味しますが、この様な時だからこそチャンスに変えたいですね!