龍神屏風と旅と発見

f:id:dragon-tiger17:20230930210623j:image龍神さんを描くつもりは最初全く無かったのですが、唐獅子図の再現を試みる過程で浮き上がった着想です。それと知恩院塔頭での大規模な個展も着想の一つです。f:id:dragon-tiger17:20230930211056j:image最初は、唐獅子図と仏画と仏の慈愛を見立てた花鳥動物画を予定していました。会場は大きいのでお寺の間取りを紙細工でミニチュアを作って、屏風もミニチュアを作って構想を練ったのですが、どうも仏画や花鳥風月の屏風絵では良くない。
f:id:dragon-tiger17:20230930210528j:imageそもそもお寺には立派な御本尊があり仏画もあり襖には羅漢図の拓本もあります。そこに新作の仏画や花鳥風月はいかにも面白くない。f:id:dragon-tiger17:20230930210532j:image考えあぐねて瑞獣にまとめるのが面白いし美しいと思ったからです。開催日まで10ヶ月を切った辺りで描くしかないと押し切って描いたのが五隻の龍神屏風です。実際に発表したのは四隻ですが。それに加えてメインを飾る8尺屏風の唐獅子図でした。f:id:dragon-tiger17:20230930210828j:image思い返しても孤独な戦いでしたが、もう一度チャレンジする事になりました。決して今の自分に報われるものでは無いですが10年後100年後500年後までお寺には置かれる事を想えば年に一人でも見ていただければ500人の人に見て貰えると想えば華のある事です。