長谷川透作 「倣 唐獅子図屏風」

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小林美術館に展示中の「倣 唐獅子図屏風」です。

お正月用に緋毛氈に敷き直しす合間に、初めて8尺屏風を平面にして観ました。

作者の私も実は初めて観る作品の全貌です。

やはりデカイです。原作者の狩野永徳とその一門、そして戦国時代の力強い息吹を感じずにはいられません。

時代の人間ドラマが全て集約された様な絵です。

再現模写とは言え、コピー機など一切使わずに資料を元に全て臨書で素描して仕上げました。

細部まで描線の呼吸や質を確かめ再現する作業は、

そのまま長年の疑問を解決する事に役立ちました。

資料、伝説、霊感、直感、実証、使えるものは何でも使って仕上げました。

臨書に関しては、若い時に石膏デッサンやら写生を徹底的にしたのが役に立ったと思います。

振り返ると自分でもよくやったと思います。

白い獅子の胸の筋肉の描線のを一気に描いた時は、天に祈る様な心地で自分の腕に祈りました。

 

 

レセプション 日本画

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「倣 唐獅子図屏風」の久しぶりの展示です。

倣うための再現模写は、作家にとって宇宙旅行の様な不思議と発見の未曾有体験です。

説明会では、その様な旅行記を皆様にお伝えする様な感じでお喋りします。

夢中で、内容が前後しながらもお話をしているのですが、案外それが熱意が伝わって良いそうなので、

お許し願っています。

前回の知恩院塔頭信重院では、全てお伝えするのに3時間近く夢中でお話してしまって大変だったので、

今回は、三回に分けて1時間ずつお話します。

今回は、屏風の成り立ちの概略を大雑把に急いでおはなししました。

日本画専門美術館 小林美術館

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2020年12月18日より2021年3月14日まで、小林美術館で「倣 唐獅子図屏風」を展示します。

期間中、12月20日、1月17日、2月23日に、作品説明会を催します。

お気軽にお越しください。

2020年11月22日公開収録 小林美術館の告知と花月先生のオペラ

2020年11月22日に公開収録された花月真:念仏コンサートに参加しました。
コンサート中盤の中休みにの恒例のトークショーです。
小林美術館での告知もしています。
コロナ渦、通常のコンサート会場での上演が出来ないので、急遽、YouTube配信の無料コンサート。

倣 唐獅子図屏風

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倣 唐獅子図屏風

 今度、大阪 高石市の小林美術館で私が再現した「倣 唐獅子図」が2020年12月18日から2021年3月14日まで特別公開されます。

 現在、東京で開催されている「桃山ー天下人の100年」展に展示中の御物「唐獅子図屏風」の再現模写です。

 現状を写したレプリカではなく、描かれた当時の制作工程を現代の絵描きが勉強のために新作として描き直す再現模写です。

 

  これほど謎の多い時代を代表する名作は、ないと思います。

 この作品の謎については、ここでは語りつくせませんが、再現するにあたり知っておかなければならない前提がありました。

 まず、展覧会でも現物が見れますので観察すればわかりますが、この作品には失敗や修正の跡が沢山みれます。

 当時の狩野派は、狩野永徳というプロジェクトリーダーの下、数人の絵師が分担して描いていました。

 模写して感じましたが筆致がバラバラでした。永徳の筆致は特に癖が強いので分かりますし謎も深まりました。

 

 そして、羽柴秀吉が中国攻めの折に毛利方に講和の印として送られ、江戸時代に毛利家代々の伝えられた、と、現在では賛否両論ありますが伝えられています。

 さらに左隻には子供の唐獅子が描かれていたと、伝えられ、実際に永徳の曾孫にあたる狩野常信が補作を描いているが、大きさも右隻からの構図のつながりもなく唐突な屏風になっている。などが、あります。

 

 レプリカ制作とは異なり再現模写は、技術的再現もさることながら、オリジナル作家の精神的、肉体的なスピリットさえも理解しようと努めます。倣いですから原作者とのペーシングが重要です。生きた線や彩色を目指します。

 

 実際に、永徳工房には珍しく修正箇所があらわにらるほど大急ぎの仕事振りから推察して、よほどの優れた絵師が一週間前後で大慌てで制作したと考えましたので、私自身一人の作業で再現を試みますので、20日から30日で仕上げる事を念頭におきました。昼間の仕事もありますので盆休みを利用した夏に試みました。

 

 ほとんど睡眠時間を削りながらの制作でしたが、一度でも模写した人には分かると思いますが、再現模写は模写した絵描きにしかわからない事、発見が幾つもあり日本画家として勉強になります。

 

 

倣 唐獅子図屏風

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倣 唐獅子図屏風

今度、大阪 高石市の小林美術館で私が再現した「倣 唐獅子図」が2020年12月18日から2021年3月14日まで特別公開されます。

 現在、東京で開催されている「桃山ー天下人の100年」展に展示中の御物「唐獅子図屏風」の再現模写です。

 現状を模写したレプリカではなく、描かれた当時の制作工程を現代の絵描きが勉強のために新作として描き直す再現模写です。

 これほど謎の多い時代を代表する名作は、ないと思います。

 この作品の謎については、ここでは語りつくせませんが、再現するにあたり知っておかなければならない前提がありました。

 まず、展覧会でも現物が見れますので観察すればわかりますが、この作品には失敗や修正の跡が沢山みれます。

 当時の狩野派は、狩野永徳というプロジェクトリーダーの下、数人の絵師が分担して描いていました。

 そして、羽柴秀吉が中国攻めの折に毛利方に講和の印として送られ、江戸時代に毛利家代々の伝えられた、と、現在では賛否両論ありますが伝えられています。

 さらに左隻には子供の唐獅子が描かれていたと、伝えられ、実際に永徳の曾孫にあたる狩野常信が補作を描いているが、大きさも右隻からの構図のつながりもなく唐突な屏風になっている。などが、あります。

 

 レプリカ制作とは異なり再現模写は、技術的再現もさることながら、オリジナル作家の精神的、肉体的なスピリットさえも理解しようと努めます。倣いですから原作者とのペーシングが重要です。生きた線や彩色を目指します。

 

 実際に、永徳工房には珍しく修正箇所があらわにらるほど大急ぎの仕事振りから推察して、よほどの優れた絵師が一週間前後で大慌てで制作したと考えましたので、私自身一人の作業で再現を試みますので、20日から30日で仕上げる事を念頭におきました。昼間の仕事もありますので盆休みを利用した夏に試みました。

 

 ほとんど睡眠時間を削りながらの制作でしたが、模写した人には分かると思いますが、再現模写は模写した絵描きにしかわからない事、発見が幾つもありました。