高野山は、行ったことがあるが親王院には知らなかったという方は多いと思います。1200年前に空海が伝えた御護摩の原型を連綿と伝える寺院であります。
また、院内のいたる所に描かれた障壁画は若冲を始め菊川伊洲などなど圧巻で、しかも、もっとも有難いのは生活空の中で今日まで残されているということです。
多くのお寺めぐりをされた方にはご理解いただけると存じますが、
一見、無造作に見える空間は、一流の芸術品と共に、日常を濃密に暮らす修行者に相応しい空間です。
あくまで、観光寺のような場所ではなく、修行道場にお邪魔していることを心がけて伺わなければなりません。
私が訪れた日も修行者の僧侶が厳しい修行中の最中でした。
従って、拝観料などの切符も投げ銭箱も親王院さまにはございません。
ただ、他人のご自宅にお邪魔してお座敷まで突然来た初対面の私たちに見せていただくのですから、相応の志をお包みするのは礼儀だとおもいますが。